木彫額「江口の遊君」 高村光雲


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 高村光雲(1852-1934) 明治23年、東京美術学校教授、同年、帝室技芸員に任ぜられる。明治26年に重要文化財として有名な「老猿」を制作。この「江口の遊君」は明治32年(1899)、油の乗りきった頃の作といえる。木彫レリーフは多くはない。
 題材は、能の「江口」。旅の僧侶が天王寺参りで江口に立ち寄ったとき、出会った遊女が実は江口の遊君の亡霊で、乗っていた舟が白象となり、自らは普賢菩薩に姿を変えて雲に乗って天に昇っていく、という話の一場面。
 木彫のレリーフ額だが、その立体感・厚みは立派に「彫刻」。動物に関しては写実を旨とした光雲が、猿や矮鶏を借りてきて観察したことは有名だが、この象に関しては、どうしたのであろうか。また、仏像彫刻の多い光雲が、普賢菩薩とはいえ遊君(遊女)の姿を彫っていることも興味深い。
 この作品は、少なくとも50年間は秘蔵され、人目に触れてこなかったと思われる。


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